今回の騒動によって、通販カタログ誌が表紙や巻頭特集で政治的な主張をしていることに驚いた人も多いようだ。実際は以前から「通販生活」は表紙や誌面で政治的な主張を展開しており、誌名ロゴの上部に「巨大地震はいつ来るかわからない、原発ゼロ今すぐ」というコピーが掲載されたり、前号では表紙に「危うし専守防衛」の文字が踊ったりと、原発、核兵器、憲法9条などに関する主張が多い。表紙や巻頭特集、コラムなどを除くと「充実した通販カタログ誌」となっているのでギャップが大きく、ネット上で「通販雑誌なのに思想性が強すぎる」としてたびたび物議を醸してきた。
そうした硬軟織り交ぜた内容が他にない「通販生活」の持ち味となっていたのも事実なのだが、今回の表紙は世界的に「侵略戦争の被害者」とみられているウクライナに対する言葉としては不適切ではないかと判断した人が多く、炎上騒動になったようだ。同誌は昨年7月に発売した盛夏号で「買い物の力で、ウクライナの人たちを応援していきたい」という緊急特集を組んでいたのだが、ウクライナ情勢への見方が変わったことが今回の騒動につながったのだろうか。
下手すれば国際問題になりかねない今回の騒動。大使館からの抗議などを受けて、同誌の「思想性の強い表紙」に今後変化はあるのかどうか注目される。