ダンビラムーチョも一昨年の敗者復活戦で森山直太朗の「生きとし生ける物へ」を歌い切るネタを披露して評判を呼び、昨年のファイナルにも歌ネタで上がってきたコンビ。予選や準決勝でのウケも上々だったため、本番の反応には驚いたと語っている。

「このネタで上がったから、やるしかないじゃないですか」と大原優一も嘆くしかない。

 来年以降の『M-1』についても、原田は「歌ネタで審査員のみなさまの笑顔が見たいな」と、歌ネタに対するこだわりを明かす。

「すごい課題になっちゃったねえ」と塙もダンビラムーチョの悩みに共感を示すが、歌ネタだから『M-1』に勝てないというわけではない。実際16年には銀シャリが「ドレミの歌」をモチーフにした歌ネタで優勝を果たしているし、20年にファーストステージをトップ通過しているおいでやすこがも歌ネタである。

 当の審査員からジャンルごと否定されて頭を悩ませることになったダンビラムーチョだが、やはり『M-1』は自分たちが一番面白いと思っているネタで挑んでほしいし、それが歌ネタなら堂々と歌い上げてほしいと願うばかりである。

(文=新越谷ノリヲ)