◆“第2期実写化時代”の幕開け

 思い返すほどに、涙ぐましい努力と日本映画の未来は自分が背負っていかねばという強い責任感があったことに思いあたる。あぁ、賢人君、そんなに背負わなくてもいいんだよ。

 あなたはあなたでいるだけ、存在しているだけで尊く、稀有な才能なのだから。そんなことを思いながら、時代が2020年代に突入する前夜、さすがに実写化の仕事はやらないよなと思っていたところ、『キングダム』が公開された。このタイミングには、たまげたものだ。

 もちろん嬉しいけど、ほんと無理は禁物。なんて期待と心配が半々の杞憂を吹っ飛ばすリアルな戦士感。なるほど、これは山﨑賢人の“第2期実写化時代”の幕開けを告げ、次なるキャリアの2020年代へ向けて自ら押し上げた。