◆物語が心の拠り所
道長(柄本佑)のことを考えないようにしたいまひろ(吉高由里子)は、少しでも別のことを考えようと物語を作ることに心を傾ける。
まひろは直秀(毎熊克哉)らのもとを訪ね、自分が考えた散楽のあらすじを話す。
「おかしきことこそめでたけれ」という言葉、そしてかつて言われた「おかしきものにこそ、魂が宿る」の言葉がまひろの創作意欲を刺激したのだ。
まひろが考えた物語は右大臣家を猿に見立て、猿たちが神のフリをした狐にだまされるというもの。これを上演すると民たちにも大ウケ。その様子を見てまひろも満足げだ。
紫式部がどのように創作に目覚めたのか、というのは興味深いところだ。
ただ才能があってあふれ出さんばかりの言葉たちをまとめた……などというのもロマンがあるが、そうではない。
もともと文学が好きで、今の世に不満があって言いたいこともある、そして現実から目をそらしたい。そんな彼女がある種、現実逃避のために創作をする、という流れはとても自然のように思える。
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