■今回のバトルは「影踏み」だッ!
ところで、この『ACMA:GAME アクマゲーム』というドラマは、Amazon Prime Videoで世界150以上の国と地域に配信される予定だそうです。そんな世界規模のプロジェクトで「影踏み」とか前回の「変なクイズ」とか、大丈夫かなと思ったんですが、よくよく考えたらネットフリックスの『イカゲーム』の影響なのかもしれません。あの感じでバカ当たりしたので、もしかしたらベタなキッズ向けゲームをシビアな状況で大人がやるというところに金脈を見たのかもしれない。
だとすれば、そうとうシビアな状況を作らなきゃいけないわけですが、『ACMA:GAME』は全体的にキッズ向けなのでプレイヤーに圧がかかりにくいんですよね。それと、バトルと並行して「友情」「青春」を打ち出したいという意図もあるので、どうしても「命のやり取り」をしているという雰囲気が出しにくい。セリフ上では「人の生き死に」をやってるけど、バトル現場にいる友だちの女の子が第2話で死ぬわけないと思ってしまう。
総じて、やっぱり、ぬるいんです。「友情」「青春」「バトル」以外の部分は徹底的に省略し、ろくにつじつまを合わせようともしていない。極端な言い方をしてしまえば、「おもしろさ」より「わかりやすさ」を優先している。
それがあからさまに「世界のみなさまに伝わるように」という戦略に見えると鼻につくところなんですが、今のところ、ぎりぎりですが「楽しさ」に振れているように見えています。ジュブナイルの役割って、世の中にはいろんなジャンルの物語があるんだよということをキッズに教えてあげることでもあると思うし、このドラマは性根がいいので引き続き「楽しいデスゲーム」路線で突き進んでほしいと思いました。
(文=どらまっ子AKIちゃん)