◆「母親はこうあるべし」はどこから来る?

――なるほど。解毒には毒母と物理的な距離を置くことも有効なのですね。

旦木:はい。自分が毒親にならない対策として、子どもと自分との関係ばかりに目が行きがちですが、まずは自分自身と親との関係に向き合い、毒親であったならば距離を置き、共依存関係を断ち切ることが大切です。

ゾンビのごとくよみがえる母親の話
――先ほどおっしゃっていた、毒母の特徴である「母親はこうあるべし」という思い込みは、どこから来るのでしょうか?

旦木:様々なところから来ていると思います。社会から押し付けられるジェンダーロールや生まれ育った環境、自分の親から「母親とはこうあるべき」「女性はこうあるべき」と言い聞かされるなど。また、「自分は社会からこう見られたい」という自分の内側から来るケースもあると思います。

【旦木瑞穂(たんぎみずほ)】愛知県出身。印刷会社や広告代理店でグラフィックデザイナー、アートディレクターなどを務め、2015年に独立。グルメ・イベント記事や、葬儀・お墓・介護など終活に関する記事の執筆のほか、パンフレットやガイドブックなどの企画編集、グラフィックデザイン、イラスト制作などを行う。

<文/此花わか>

【此花わか】

ジェンダー・社会・文化を取材し、英語と日本語で発信するジャーナリスト。ヒュー・ジャックマンや山崎直子氏など、ハリウッドスターから宇宙飛行士まで様々な方面で活躍する人々のインタビューを手掛ける。X(旧twitter):@sakuya_kono