◆友達から兄弟に。再婚に子どもたちの心境は……

 親からすれば、再婚という結果は必然でも、子どもから見てもそうとは限りません。友人や同級生だった子が、連れ子として急に家族になることを、子どもたちは上手く受け入れていけるのでしょうか。

早婚の末、“早離婚”し同級生のパパと再婚。子どもたちの心境は…
「確かに、子どもたちの環境については気になりました。お互いの子どもは、再婚当初小学校5年生。センシティブな年齢ではありますから、最初はもちろん気を使って過ごしました。

 同じ小学校でも同級生の親同士で再婚した人が結構いるんですが、子どもが精神的につらくなってしまい、別れた相手の方に親権を移したという話も聞こえてきます。田舎ですから、こういう話もすぐ広まりますし、自分たちのこどもがツラくなってしまわないかはすごく心配でした。

 幸い、自分の子どもたちはあまり兄弟っぽくなり過ぎず、いい意味でルームメイトのような感じで仲良くしてくれていますが……私たち夫婦のエゴで、子どもたちが嫌な思いをしないようにだけはしていきたいです」

 離婚も、再婚も子どもの気持ちも、あくまで当人の問題ですが、コミュニティ意識の強い地域では、光の速さでうわさになり、駆け巡るといいます。

 クローズドな環境だからこそ、境遇の近い再婚相手も見つかるのかもしれませんが、その分余計な噂話に悩まされたり、他人から土足で立ち入られたりすることも多いようです。日本では平成27年時点で再婚同士の結婚が6万1325人(※2)。中でも、子連れ同士の再婚となれば、配慮やアフターケアも考えていかねばならないでしょう。

※1政府統計ポータルサイトe-Stat「2017年 人口動態調査 人口動態統計 確定数 保管統計表 都道府県編(報告書非掲載表) 婚姻/ 出生」より

※2厚生労働省「平成28年度 人口動態統計特殊報告 婚姻に関する統計」より

―シリーズ「地方の闇/都会の闇」―

<文/ミクニシオリ イラスト/カツオ>

【ミクニシオリ】

1992年生まれ・フリーライター。ファッション誌編集に携わったのち、2017年からライター・編集者として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を寄稿しながら、一般人取材も多く行うノンフィクションライター。ナイトワークや貧困に関する取材も多く行っている。自身のSNSでは恋愛・性愛に関するカウンセリングも行う。Twitter:@oohrin