2001年以降、地上波・BS・CSの3波で独占中継をするテレビ朝日にとっては長年「優良スポーツ物件」扱いだった世界水泳だが、高視聴率が見込めるゴールデンタイムで放送可能な自国開催での大惨敗は何としても避けなければいけない。
「ところが、競泳種目決勝が始まる23日のゴールデンタイム一発目の関東地区世帯平均視聴率はなんと6.7%。以降も低視聴率が続いており、厳しい結果となっています」(同)
人気ロックバンドのヒット曲を20年以上もテーマソングで起用するなど世界水泳をなんとか世間に広めようと必死だが、視聴率がこうも取れなければお手上げ状態。しわ寄せは系列局にも波及している。
「今回は世界向けに配信する国際映像制作も担っているため、普段の大会よりも多い人員が必要。そのため、スポーツ中継を行う系列局を中心に、制作・技術スタッフを多数福岡に派遣しています。各局とも近年は人員削減や退職が相次いで余力がない状況ですが、キー局のテレ朝の大号令がかかれば無視できない。おかげで系列局では自局内のスタッフのやりくりで火の車です。それでも視聴率が良ければまだ納得できますが、普段放送しているバラエティ番組やドラマのほうが数字はいい。『何のために協力しているのか訳がわからない』との不満の声がかなりある」(系列局幹部)
ジャンルを問わず、スポーツ中継で高視聴率を狙うにはスーパースターが不可欠。来年の五輪も先が思いやられる。