その原因としては音楽シーンの大きな変化があり、現代ではリスナーの興味が細分化され、最大公約数的に誰もが知るアーティストが激減したことから、視聴者にとって「知らない人がテレビで歌っている」状態になりやすいことが挙げられる。
リスナーが音楽に触れる場もSNSやサブスクサービスが中心になり、最新の音楽を知るために音楽番組を観るという習慣はとっくに崩壊。そうなると、出演したからといって必ずしも売上につながるわけではないため、アーティスト側もあまり歌番組に出たがらなくなった。それよりも、SNSやYouTubeの更新に力を入れたほうがよほどプロモーション効果があるのが実情だ。
結果、音楽番組はNHK『SONGS』やフジテレビ系『MUSIC FAIR』などのように新曲にこだわらない内容や、日本テレビ系『バズリズム02』などのように低予算で済む深夜帯への移行が進んでいる。だが、そうした路線でも景気がいいとはいえない状態だ。音楽番組は「斜陽産業」ともいえる状況のはずだったのだが、そこにあえて日テレが切り込んできたことで驚きと困惑の声が上がっているのだ。
日テレには何か秘策があるのかどうか。『news zero』のメインキャスターの座を失う有働アナの今後を左右する番組でもあるだけに、音楽系で久々のヒット番組となることを期待したいが……。