◆役作りの大切さを、身を持って分かった

『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』
ディズニープラス「スター」独占配信中『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』 (C)2024 Disney
――今回のドラマのように規模が大きい作品に出て、新たな発見はありましたか。

奥平:スタッフさんの数も多かったですし、セットの規模もすごくて、撮影に使っていたクレーンも今まで見た中で最大でした。中でもすごいなと思ったのは、衣装の完成度です。何度も衣装合わせに行かせていただいたので、一から作る過程を見ることができて。「こういうふうにしてほしい」という監督のリクエストに対して、ちゃんと衣装さんは次に答えを出してくる。衣装一つに、ここまでこだわれるのって、なかなか普段のドラマや映画の現場ではできないことなので、ディズニープラスのすごさを感じました。撮影期間が4カ月間、準備期間も含めると半年間ぐらい。長期に渡って作品に関われたことで、タイムに没頭できたのも、なかなかできない貴重な経験でした。

――最初に「あまり役作りをしない」というお話がありましたが、そこの意識にも変化はありましたか。

奥平:僕のキャリアでは、まだ役作りの正解は出ていないんですが、タイムを演じるにあたって、ちゃんと役作りをしていったおかげで、できるお芝居もあったし、タイムのことが理解できる感覚もありました。役を通して自分も成長できるのが面白かったですし、役作りの大切さを、身を持って分かったのは今回が初めてのことです。

その一方で、今も現場での感覚を大事にしたい気持ちは強いので、そこの両立を上手いことできればなと思います。簡単にできたら苦労しないんですけど、いろんなことを試している途中なので、そんなときに今回の作品に出会えて、良いきっかけになりました。