日本という国を象徴するものとして、「富士山」や「桜」をあげる人は国の内外を問わず多いですね。その富士山と桜を守っているのが、みめ麗しい女神さまだということはご存じでしょうか。日本人にとってもすごく大切な女神さまをお祀りする、富士山本宮浅間大社の由緒や見所などをご紹介します。
霊峰富士山の女神、木花之佐久夜毘売命
富士山の美しい末広がりのカタチは、今から約3500年前までには形成されていたようです。富士山は、古記録では781年から現在までだけでも16回の噴火が記録されている活火山。社伝によれば、大噴火で周辺住民が離散し荒れたため、紀元前27年に浅間大神(木花之佐久夜毘売命)を祀り、山霊を鎮めたのが富士山本宮浅間大社の始まりで、全国の浅間神社約1,300社の総本社になります。
歴代武将の崇敬を受け、徳川家康が関ケ原の戦いに勝利した際には、感謝奉納として、本殿・拝殿・楼門など30余りの社殿と、富士山の8合目より上を寄進したと伝わります。
ご祭神である木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめ)は、家庭円満・安産・子安・水徳の神として、尊崇を集めています。境内地である富士山8合目以上へは、姫の顕現として登拝(御神徳を拝しながらの登山)するということになります。
湧玉池(わくたまいけ)
神社内には、1秒間に2.4ℓもの湧水があふれる湧玉池があり、富士山に登拝する修行者たちは身を清めて臨みました。長い年月を経て富士山に降り積もった雪が解け、流れついたこの池は、武将や旅人の疲れを癒し清める「キセキの水」と言われるようになったそうです。
池は、”咲良みくじ”を浮かべることができる唯一の場所で、水に濡らすことでおみくじにお言葉が浮かび上がります。おみくじが乾いたら蛇腹におり、祈りながら結んで蛇腹の部分を開くと、富士山のカタチになりますよ。