サイトウは事務所も辞めて芸能活動を休止。上田航平はプレイヤー兼作家として活動を続けていくという。
新ネタ33本という常軌を逸したライブの例を挙げるまでもなく、上田はコント作家として、極めて多作の人だ。しかも、ゼロイチ(0→1)からイチヒャク(1→100)まで、1人で完結することができる。
『キングオブコント』には10回出場して、準々決勝10回、準決勝8回、決勝2回。常識的に考えて、あり得ない成績である。一定のクオリティのネタを作り続けて、それが評価され続けるというのは、あり得ないことなのだ。少なくとも私の同級生や仕事仲間にそんなことができる人間は一人もいないし、例えば甥っ子あたりが「俺が芸人になれば一定のクオリティのネタを作り続けるし、それが評価され続けるだろう!」などと言い出そうものなら、「いや、それは常識的に考えて、無理だと思うよ」と助言するしかない。
上田のような作家は、常識の外にいる人間だ。彼らは化け物であって、脳みそモンスターなのである。頭がいいとか発想力が素晴らしいとかいう以前に、脳の基礎体力がまったく違う。無限とも思えるような、巨大なエネルギーが内包されている。それくらい、ゼロからイチを生み出す作業というのは、しんどいのだ。めちゃくちゃしんどいことをやっているのだ、ずっと、毎日。
【こちらの記事も読まれています】