◆バージョンアップを迫られる第1世代

 上からも下からもプレッシャーをかけられるのが、ゆとり第1世代のツラいところ。ぎりぎり昭和生まれながら、青春は平成に育つ。両時代を知るからこそ、良くも悪くも奥深い人間味がにじむ。

 では、ドラマ放送から7年後を描く劇場版『ゆとりですがなにか インターナショナル』では、どうなっただろうか。それぞれに年を重ね、現在36歳。アラフォーに突入した三銃士たち。唯一結婚した正和は、宮下茜(安藤サクラ)との結婚生活7年だ。

 時代は変わった。コロナ禍を経て、リモートワークが当たり前。正和をパワハラで訴えた山岸ひろむ(仲野太賀)も今度は逆にZ世代の後輩社員たちに厳しい指導をする立場になった。

 女性へのセクハラがMeToo運動によって暴かれ、LGBTQへの理解は山路の小学校教育にも浸透している。若い世代からおっさん呼ばわりされるゆとり三銃士たちは、令和に合わせたバージョンアップを迫られる。