◆友達の結婚式から帰ってきた夜、金縛りに

 20年前、学生時代に参加した友人の結婚式での恐怖体験を振り返るのは田口愛美さん(仮名・42歳/会社員)。

 22歳の頃、中国地方のとある県の、古めかしくも格式高いホテルで行われた、友人の結婚式に出かけた田口さんは、せっかくおめかししたからと、チャペルがあるホテルの庭の滝の前で、式前に友人と記念撮影をしました。その後、結婚式はとどこおりなく進んで、終了後はそのままホテルに宿泊したそうです。

「翌日帰宅したのですが、少し肩が重いな、と感じていたんです。でも肩こりかな? と軽く考えていたら、夜寝ているときに金縛りにあいました。ぼんやり意識はあるけど、動こうとしても動けなくて苦しんでいたら、部屋のドアが空いて、スーツを着た男の人が入ってきたんです」

 金縛りによる幻覚なのか、それとも……。しかもそのスーツの男は田口さんの体の上に乗ってきたというのです。

「私の上に乗った瞬間に、男が『重っ』って言ったんです。

『いやいや、上に乗られている私の方が重いやん!』と、とっさにつっこみました。どうすればいいか分からず、おびえながらも南無妙法蓮華経を唱えたりしていたら、その日はいつの間にか寝て朝になっていました。ただ疲れていたからかなと思い、その夜のことはすぐに忘れました」