◆“パフォーマー兼俳優”として

 木村は、『ホームレス中学生』(2008年)などの名匠・古厩智之監督が演出を担当した傑作BLドラマ『飴色パラドックス』で、山中柔太朗扮する週刊誌カメラマンと恋仲になる記者を演じた。第3話の濃密な車内場面など、官能ゆらめく同作で練磨された可憐な演技が、『顔に泥を塗る』のイヴ役でより具体的に粒立ち、可愛さそのものが結晶化する。

 堀田茜主演の『好きなオトコと別れたい』(テレビ東京、2024年)では、折り目正しく猛アタックする後輩キャラを演じ、着実に演技の幅を広げている。そもそも木村は、FANTASTICS from EXILE TRIBEのパフォーマーとして、Jr.EXILE世代に区分され、LDHの次世代を担っている。

 FANTASTICSがヒット歌謡をカバーする舞台『BACK TO THE MEMORIES』でも、パフォーマンス以外に女性役で演技していた。イヴ役とは違い、甲高い声のぶりっ子キャラで終始おどけていたが、絶妙なギャグセンスでこれまた可愛かった。いずれにしろ、演技のポテンシャルがかなり高く、LDH所属の“パフォーマー兼俳優”としての存在感を強めている。