◆即提案はダメな営業マンの典型
マイホームの出発点は、工務店で家づくりをサポートする営業マンとの関係構築です。こちらの要望に沿って、一から十まで夢を叶えてくれる。そんな営業マンが理想かと思いきや、乃村さんが「一概にそうとは言えない」と指摘するのは意外です。
「マイホームは営業マンで『8割決まる』といっても、過言ではありません。戸建てならまさしく、営業マンのよしあしで引き渡し後に悔いが残るかどうかが決まります。マイホームには、誰もが夢を持っていますよね。お客さんはテンションが上がった状態で相談にいらっしゃいますし、担当者もその思いに応えようとする。ただ、営業マンによってはハズレの人間もいるんです。
例えば、お客さんから『駅チカで戸建て住宅を探しているんです』と相談されて、すぐさま『人気エリアですね。じつは、新たに分譲住宅地ができたんです!』と前のめりに提案してくる営業マンはダメ。意識しているのかいないのか、いずれにせよ、夢を見させてとにかく家を売ることしか考えていないからです。
一見便利そうな『駅チカ』の条件では、人の往来が多いために犯罪発生率が高い、また車の走行車数も多いため事故のリスクも上がるなどのリスクもある。ですから、お客さんの実生活を汲み取って、リスクをふまえて提案できるのが真の“デキる営業マン”といえます」