■まず前提がうまい

 今回は、常に学年1位すぎて「学校で学ぶことがなくなった」という不登校児・竹中くん(山下幸輝)を学校に来させるお話。このドラマの上手くできているところとして、加賀美センセには、AI教師の開発のために教師を続けたいというモチベーションがベースにあるんですよね。その上で、悪役の教頭から毎回「○○できなきゃ辞めてもらうしかない」という条件を与えられることになる。

 それによって、加賀美センセはそれをやらなければいけない状況になる。やらなければいけない状況だからこそ、今回でいえば「別に学校なんて来なくていいだろ」と言えるわけです。諸問題に対して、加賀美センセが「嫌々関わる→関わっていくうちに本気になる」という展開が作れるということで、これはホントにうまくいってるなぁと思うんです。

 で、今回は「別に学校なんて来なくてもいいだろ」と言ってた加賀美センセが、不登校児が“天才”だと聞いてがぜん興味を持ち、けちょんけちょんにやっつけることに。しょせんは学年1位ですから、本邦トップの頭脳である加賀美センセに敵うわけないんですね。加賀美センセのホンモノの天才っぷりを描きながら、並行して小学校すらまともに通ってないし中学も高校も大学も行ってないし、どうやら小学校高学年の記憶が抜け落ちていることも明かされました。加賀美センセ、その天才的な頭脳と引き換えにした何か悲しい過去があるようです。

 そんなこんなで、今回も不登校児を納得させるメッセージを明示して一件落着。一方で、加賀美の過去の秘密についてカギを握っていそうな校長(水野美紀)が学校に復帰するそうで、波乱の予感がほのめかされました。