◆「朝のクモは縁起がいい」と取り合ってくれず

夫婦
 クモはダニやハエなどをエサとして食べてくれることから益虫とも呼ばれ、「殺さない」という人も多いようですが、ナツさんにとってはあり得ないことでした。一度、共有スペースにクモが出たので勇気を振り絞って叩き潰そうとしたところ、義母に諭されてしまいます。

「義母は、占いや幽霊などスピリチュアルなことにまったく興味がないにもかかわらず、『朝のクモは縁起がいいから殺しちゃダメ』と言うのです。結局、クモは取り逃がしてしまいました。それから何度もクモと遭遇。そのたびに嫌な思いが積み重なっていきました」

そしてついに、手のひらほどもある大きな薄茶色のクモが出現。都会育ちのナツさんは、そんなクモを見たことがありません。ところが、悲鳴を聞いて駆けつけた義母は、「あぁ、これは家グモだから大丈夫。昔から、家を守ってくれるって言われているのよ」と言うばかり。

「そうこうしているうちにクモが私のほうへやってきて、近くの隙間にヒュッと隠れてしまったのです。それはもう、トラウマ級の衝撃。すぐお義母さんに、本当にクモが怖いこと、そして駆除したいことを真剣に伝えましたが、『すぐ慣れるわよ』とバッサリでした」