だが、亜生の悪口は、ほかの後輩たちとは、やはり違っていた。

「もっと休まなあかんねん」

「もっとイジられなあかんねん」

 2018年に『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)を結成5年という若さで制覇。世の中に第7世代ブームを巻き起こし、怒涛のような日々を過ごした。

 ブームが去るとテレビでのレギュラーはもちろん、YouTubeで3つのチャンネルを運営し、合計で週に17本の動画をアップしている。楽曲を制作し、自ら歌唱するアルバムも発売した。

 自らを「粗品」と称してデビューした青年は、いつの間にか「天才」と呼ばれるようになった。その荒波の中で結婚と離婚を経験し、粗品が世の中に出すコンテンツの物量はさらに肥大化していった。