現在、その天下に最も近い位置にいるといわれているのが、千鳥である。『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)、『千鳥のクセスゴ!』(フジテレビ系)、『千鳥の鬼レンチャン』(同)などのキー局レギュラーのほか、『相席食堂』(ABC)、『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)のローカルレギュラー、ABEMAで配信されている『チャンスの時間』もお笑いファンにはおなじみのプログラムだ。その出演番組はTVerでも上位を席捲し、春からは『すぽると!』(フジテレビ)で「キャプテン」を担当するなど、今やテレビで千鳥を見ない日はない。
だが、千鳥は今回の「令和ランキング」には入っていない。それどころか、ニホンモニターが毎年発表している「タレント番組出演本数ランキング」のトップ10に、千鳥は一度もランクインしたことがない。
今回のランキングから読み取れるのは、千鳥より売れているタレントは山ほどいるということだ。それでも、次の“天下”といえば、誰もが千鳥だと口をそろえる。
オードリーの若林は『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で、天下を取る芸人の条件について、たびたびこう語っている。
「自分の教科書を押し付けることができる人」
売れることと天下を取ることは違うのだ。それを、今回のランキングが証明している。
(文=新越谷ノリヲ)