こうなってくると、がぜん期待されるのが「SMAP回の解禁」だ。

 SMAP回とは、1999年1月に放送されたスペシャル第3弾「古畑任三郎 VS SMAP」のこと。SMAPのメンバーたちが本人役で登場し、完全犯罪を成し遂げようとするという内容で、本放送時は平均視聴率32.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。

 古畑ファンにとってもSMAPファンにとっても忘れられないエピソードだが、これは「解禁が最も難しい封印作」となっている。現在、SMAPのメンバーは「新しい地図」として活動する香取慎吾、稲垣吾郎、草なぎ剛、独立して個人事務所を立ち上げた中居正広、旧ジャニーズに残った木村(現在はSTARTO ENTERTAINMENTと契約)と3つの事務所に分かれており、全員分の許諾を得るのは非常に困難だ。

 SMAPが大揉めの末に解散したという経緯もあり、今作は「永遠に封印される」ともいわれている。また、劇中にはSMAP解散の要因になった元チーフマネージャーの飯島三智氏をモデルにしたと思われる人物が登場するため、それも事態をややこしくしている。配信や再放送がNGになっているだけでなく、2022年に発売されたデアゴスティーニ・ジャパンの「隔週刊 古畑任三郎DVDコレクション」でも、SMAP回だけが「都合により」との理由で収録されなかった。

 しかし、旧ジャニーズ事務所が崩壊したことで多くの「タブー」が消滅しており、今回の一挙放送で木村拓哉の回などが放送されたこともあって、SMAP回の解禁に望みが出てきた。ただ、SMAP回はシリーズ第2期と第3期の間に放送されたスペシャルだが、今回の一挙放送では第2期の作品放送後に第3期のエピソードに移行するようで、そのまま飛ばされる可能性もある。

 もしSMAP回の封印が解かれることになれば、SMAPファンと古畑ファンはお祭り騒ぎになりそうだが、はたしてどうなるだろうか。