しかし、同時期に気になる動きがあった。6月5日にSMILE-UP.が性犯罪被害者の支援環境の整備や災害時の復興支援などの社会貢献活動を行う一般社団法人「Mindful(マインドフル)」を設立したと発表し、社員にジュリー氏の名前があったのだ。
ジュリー氏が代表取締役に残っているSMILE-UP.は、補償業務の終了後に消滅することが決定している。関連会社の代表からも辞任すれば、ジュリー氏の影響力は完全に消えることになるとみられていた。そのため、新たに設立した社団法人にジュリー氏が社員として入ったのは「何らかの布石ではないか」とも推察されているようだ。
「Mindful」の代表理事は元ユニゾン取締役の浅沼久美子氏が務めているが、ユニゾンは旧ジャニーズタレントのCMキャスティングなどを手がけていた会社で、かつてはジュリー氏が代表を務めていた。それ以外の理事や監事もSMILE-UP.の元社外取締役など、ジュリー氏にとっての「身内」で固められている。そうした中で、経済的にはまったく困っていないであろうジュリー氏が平社員として「Mindful」入りしたのは意味深で、さまざまな憶測が広がっている。
ジュリー氏が旧ジャニーズの代表を辞任した時から「院政が敷かれるのでは」と危惧されていたが、その可能性は微妙に残っているようだ。どんな事情であれ、本当に性加害問題を深刻に捉えているのなら関連する会社・団体に名前を残さず、完全に身を引いた方がいいという指摘もあるが、はたしてジュリー氏にはどんな思惑があるのだろうか。