■もう一度、臨店班に異動するところから

 杏ちゃん花咲は東京第一銀行の臨店班で大暴れしていたわけですが、美桜ちゃん花咲は再び支店の窓口に戻り、改めて臨店班に異動するところからスタート。前シリーズとは別の世界線ということになります。

 今田美桜、すごくいい感じです。でかい目ん玉で血気盛んな感じだし、これはいい意味ですけど、あんまりインテリジェンスを感じさせないのがいい。花咲舞というキャラクターの「裏のなさ」にすごく合ってると思いました。

 第1話はドラマオリジナル脚本だそうですが、花咲が異動前に務めていた羽田支店に臨店班として訪れるという設定も秀逸です。第1話では臨店班という部署の仕事内容の説明が必要になるわけですが、異動前のエピソードがフックになっているので、登場人物の人間関係への理解が済んだ上で物語が展開していくことになる。これにより、すんなりと対立の構図に入っていくことができます。

 で、対立の構図に入ってしまえば、あとはもう池井戸節というか、これもいい意味ですが、定番の展開が待っているので安心して楽しめる。花咲の直感と情熱、バディである相馬さんのロジカルなアシストで悪いやつを懲らしめるだけ。普通にやれば当たり前におもしろくなるドラマを、ちゃんとおもしろく作りましたという第1話でした。