問題はいくつかある。まずは1軍の岡田彰布監督が極端に1、2軍の入れ替えをしたがらないことだ。

「2軍の位置づけはチームによって異なりますが阪神はあくまで1軍戦力はレギュラー、控えともに固定して戦うスタイルを取っている。それで去年の日本一につながったのですから誰も何も文句は言えません。しかしながら、球団としてはいつまでも1軍戦力が最盛期をキープできるはずもなく、3年後、5年後を見据えたチーム作りをやらなければいけないと考えている。岡田監督は、早ければ今シーズンオフにも退任、GMなど編成部門に入るとの情報がある。そこから準備していては後手に回ってまた低迷期を迎えてしまい、外国人選手や他球団をFAした選手を獲得せざるをえず今のようにレギュラーメンバーを生え抜き選手で賄うことが難しくなってきます」

 昨シーズンまでパ・リーグ3連覇を成し遂げたオリックスは今シーズン、1軍は勝率5割前後を行き来しており4番の森友哉は打率1割台と低迷したまま。決してチームは本調子ではないが2軍に目をやると5月1日時点で18勝8敗5分けのウエスタン・リーグ首位に立っている。

「オリックスの育成メソッドは、今や他球団の編成担当者も細かくチェックするほど緻密さが増している。投手を見ると1軍で通用するレベルの選手の中から、1軍ローテーションの谷間にチャレンジ枠として先発させるものなど、着実に今後を見据えたローテーションを組んでいます。球数、登板間隔は1軍の中嶋聡監督にも逐一報告が入っており、連携がスムーズ。それでいてウエスタン首位ですから中心選手がメジャー移籍を決断しても、あまり痛手に感じていないそうです」(パ・リーグ球団関係者)

 行き当たりばったり感が否めない阪神と、着実に選手育成を続けているオリックス。今オフは明暗がはっきりしそうな予感だ。