◆困窮する若年女性との出会い
生まれた土地、育った土地に住みつづけていると、居場所は当然あるものと思われがちだ。しかしそこから弾き飛ばされる人がいて、だいたいは弱い立場の人たちだ。
「学校を辞めたあと、若年女性を支援するNPOの運営をお手伝いしました。いろんな世代の女性が集っておしゃべりをしてご飯を食べる、という活動に、女子大学生が通ってくれていたんです。彼女がある日ポロッと『経済的に苦しいから、1食でも無料で食べられるのはありがたい』とこぼしたんですね」
親からの支援がなく、奨学金とアルバイトで生活する女子学生たち。車がある学生は繁華街に出て時給のいいアルバイトに就けるが、彼女たちは車に手が届かない。