◆「男は黙って」は間違い

――普段から「ありがとう」はよく伝えているのですか? 意識的に?

藤「たくさん言ってますよ。自然とですね」

――ステキですね。いつごろからそうなのでしょう?

藤「若いころからずっと続けていますね。自分の世代だと、亭主関白が多いイメージかもしれないですけど、そんなことないんですよ。何かをしてもらったらありがとうと。お互いに思い合って、労わり合う。ありがとうと言われたら、自分も言いたくなるし、また自分も何かやってあげたくなる。お互い様です。そんな珍しいことじゃないですよ」

――夫婦という“チーム”が長く続く秘訣ですね。

藤「あとはおしゃべり。そこは若いころと変わりました。昔は黙っていることが多かったです。家でも。でもやっぱりね、なんでもしゃべったほうがいいです。テレビを見ながら、ああだこうだ、たわいもないことでいいので。

昭和の男ってね、しゃべると損だという感じがあるんですよ。“男は黙ってどうの”というのが刷り込まれている。でもそれは間違いだと思います。やっぱり夫婦は話さないと。大事なことだと思いますよ」