大谷の怒りは当然のようにも思えてくるが、テレビ局にも言い分はあるようだ。大谷の新居については現地の地元メディアが空撮などを交えて先に報じており、日テレとフジの報道は「後追い」だった。現地メディアが報じているのだから問題ないだろうという認識だったとみられる。

 しかし、セレブの豪邸購入などのニュースにおいて、近隣住民へのインタビューは米メディアであまり使われない手法で、これが「周囲の人に迷惑がかかるのを非常に嫌がる」といわれる大谷の逆鱗に触れる決定打になった可能性があるようだ。

 日テレとフジに厳しい態度を見せているのは大谷や球団だけにとどまらないようで、発売中の「女性セブン」(小学館)は「メジャーリーグ機構まで調査に乗り出しているようで、日本のテレビ局が今後より重いペナルティーを受ける可能性もささやかれている」と報道。もしMLBが報道を問題視すれば、両局はドジャースや大谷に限らず、メジャーリーグ全体の取材で制限を受けることになるかもしれない。

 国民的スーパースターの大谷の取材に加え、もしメジャー全体からも「出禁」となれば、テレビ局にとってはあまりにも大きな痛手。一部では「大谷の激怒は今回の一件がすべてではなく、今まで積み重なっていたメディアへの不信感が爆発したからでは」といった指摘もあるが、日テレとフジは大谷の怒りを解いて関係を修復することはできるだろうか。