思えば今回の『27時間』は、そんな印象の連続だった。オープニングでフジテレビの港浩一社長に大谷翔平の件をブッ込んだときも、『さんまのお笑い向上委員会』で「宮迫×」のプラカードを掲げたときも、『粗品ゲーム』でローション階段から引きずり落されたときも、『FNS逃走中』で考えられないタイミングで自首したときも、その賞金の150万円で学校に冷水機を寄付すると見せかけて「ギャンブルに使いま~す!」と言い放ったときも、『ハモネプハイスクール』で真剣に審査に臨んでいるときもだ。

 それは、粗品が自身のパブリックイメージを完璧に把握し、理解しているということに他ならない。過激な発言をするたびに、ネットニュースには粗品の将来を心配するような記事が並ぶ。それすらも、粗品の想定内であるに違いない。

 23日には、粗品は生配信も行っている。明らかに働きすぎである。切り抜き禁止なのでその内容は割愛するが、宮迫博之氏に対して執拗に絡んでいった真意も示唆されていた。

 今回の『27時間』の成功で、世間の粗品に対する風向きも大きく変わることになるだろう。だが、そんな世間の空気さえも、きっと粗品は裏切ってくる。それが、粗品という芸人の本質だろう。

(文=新越谷ノリヲ)