◆息子にとって“重たい親”にはなりたくない

『一月の声に歓びを刻め』
© bouquet garni films
――今回の映画、放送中のドラマと、仕事が充実している日々だと思います。以前よりさまざまなインタビューで「仕事は自分から切り離せない大切なもの」と言っていましたが、そのスタンスは今も変わらないですか?

前田:変わらない、ですね(笑)。仕事をしている時のほうが日常みたいになっちゃっている自分がいるかもしれないです。プライベートで楽しんでる自分が、ちょっと非日常な感じになっちゃっていて。

もちろん、子どもとの時間はまた全然別なのですが、前田敦子というひとりの女性としてのプライベートを、というイメージがまったく湧かなくて。だから友達にもあまり会っていないですし、ますます仕事人間化してる自分がいます(笑)。

――より仕事への想いが強くなっていると。

前田:そうなんですよね。実感しています。子どもがもうすぐ5歳になるのですが、本当に絶大なる、かけがえのない存在でいてくれるんです。最近はますますしっかりした人間らしくなってきて。そうなるとより一層、お互いに一人ひとりの人間として完結しているなって感じなんです。

子どもが大きくなると誰でも変わってくるものだと思うのですが、少なくともわたしは子どもに寄りかかるような母親にはなりたくないんです。なりたくないからこそ、ますます自立みたいなのを、ちょっと追い求めてる部分はあるかもしれないです。

特に男の子ってね、お母さんを大切にしてくれるじゃないですか。気を遣わせる母親になりたくないんです。ちょっと先を見過ぎている感じも自覚しているのですが、重たい親にはなりたくないなって思っています。