大学進学を控えている学生はもちろん、子どもの大学進学に備えたいという人も、学費などにどれくらいのお金がかかるか気になるところですよね。どの大学に通うかは成績や学びたい分野にもよりますが、まだ漠然としている人も多いかもしれません。そこで国立と私立、学部による学費の違いをはじめ、大学生活で必要なお金についてまとめてみました。

大学の学費はどれくらいかかる?

大学生活は、人生の中でも貴重な“学びの時間”と言える一方で、勉学のみならず多くの人との交流を深め、さまざまな経験を積む時期でもあります。学費のほか、交際費や生活費も必要となるでしょう。

まずは、大学進学にあたって入学金をはじめ、授業料などがいくらかかるかチェックしてみましょう。

国立大学の学費

一般的に「国立大学は私立大学よりも学費が安い」ということは多くの人に知られています。国立大学の学費は文部科学省によって標準額(53万5,800円)が定められています。しかし、この標準額から2割の範囲で大学が独自に授業料を決めることができるため、一部の大学で授業料が値上げされています。

入学金…28万2,000円
授業料…53万5,800円~64万2,960円(年間)
合計で81万7,800円~92万4,960円

私立大学の学費

私立大学の学費は各校が独自に金額を定めているため、一概にいくらと言うことはできませんが、文部科学省の調べによれば、2019年度の平均値は次のようになっています。

入学金…24万9,985円
授業料…90万4,146円(年間)
施設設備費…18万1,902円(年間)
合計で133万6,033円

また、私立大学の学費は学部や学科によって大きく異なります。大まかな共通点として、理系学部は文系学部よりも割高な大学が多いこと、理系学部の中でも医学部や薬学部などは学費が比較的高額であることなどが挙げられます。文系、理系、医歯系の学部ごとに文部科学省の調べによる2019年度の平均値は次のようになっています。

             文系学部 (単位:円)
入学金          22万9,997
授業料          78万5,581
施設設備費        15万1,344
合計           116万6,922

             理系学部 (単位:円)
入学金          25万4,309
授業料          110万5,616
施設設備費        18万5,038
合計           154万4,963

             医歯系学部(単位:円)
入学金          107万3,083
授業料          286万7,802
施設設備費        88万1,509
合計           482万2,394

出典:平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について
※上記の項目以外にも、各大学独自に設けている費用があります。

学部によって“忙しさ”が違う?

私立大学の場合、文系と理系では学費が違うことがわかったところで、大学生活の“忙しさ”が気になるという人も多いでしょう。まとまったお金(学費)を支払うからこそ、限りある大学生の期間を計画的に有意義に過ごしたいものです。

巷では、「理系学部は忙しい」と言われます。実験や研究があったり、レポート提出が定期的に求められたり、あながち間違いとは言えないでしょう(もちろん、文系の学部・学科においてもレポート作成に追われる人もいるでしょう)。

4年制の大学・学部では通常、4年間の大学生活を通じて124単位以上を取得し、卒業することを目指します(6年制の学部は188単位以上)。

大学の授業科目は大きく「必修科目(語学を含む)」「選択科目」「自由科目」の3種類に分類されます。大学が指定する「必修科目」「選択科目」は必要なものを漏れなく履修しなければならず、残りを「自由科目」から各自が選択して、合計で124単位という基準を満たします。そこには卒業研究や卒業論文が含まれる場合もあります。

この124単位以上を履修した学生に授与されるのが「学士」の学位です。各大学では、学部・学科ごとにどのような学修を経た学生に学士の学位を授与するか、その目標をディプロマ・ポリシー(学位授与方針)として定めています。

また、ディプロマ・ポリシーを実現するために、カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)を設定し、これに沿って授業科目を構成しています。学生は、学部・学科のカリキュラムに従って授業科目を履修することで、「学士」にふさわしい学修成果を得て卒業することができるようになっています。