◆エロ自由律俳句から発展してコントになったものも

――もしかして、これまでにエロ自由律俳句から発展してコントになったものもあるのでしょうか?

加賀:ありますよ。『抱かれたと思っていた』という句を考えたんですが、これは女性の先輩が男性の後輩に告白したけど付き合えなかった、というコントになっています。

 先輩が「じゃあ、なんであの時抱いたの?」と問い詰めるんだけど、後輩は「抱いたつもりはない」という。

 このコント、実は後輩は自分が先輩にむちゃくちゃにされたと思っているので「自分の方が抱かれた側」と認識しているズレがあるわけです。

 いろいろと難しい時代なので表現が大変ではありましたけど、がっつり5分くらいのコントとしてやりました。

――エロ自由律俳句発のコントが本当にあったとは驚きです!

加賀:あと、単独ライブでやったお寿司屋さんが舞台の『背徳感』というコントも、自由律俳句をやっていたからこそ生まれたネタだと思います。

――そう聞くとかが屋のネタ作りにおいても、自由律俳句は重要な位置を占めているような。

加賀:芸人になる前から僕はずっと自由律俳句を毎日3句は絶対に詠んでいて、コントを書き始めてからは1本ネタを書くたびに、そのネタを自由律俳句にして書き溜めてもいたんですよ。

――エロではない自由律俳句は、本当に加賀さんにとって日常といえるんですね。

加賀:こうやってコツコツ頑張ってこまめにやることが僕は得意なのかもしれません。