◆謝りもせず、ヘラヘラと言い訳する態度に愛情が失せた

 返信がなかったことに、さすがの彼氏もあわてたのか次々とメッセージが届き、電話も何度も着信があったそうですがすべて無視したといいます。

「私も怒っていたから感情的なやりとりになってしまうのが目に見えていましたし、せっかく北海道に来てまでこれ以上、嫌な気分になりたくないじゃないですか。途中で『今から行くから!』ってLINEもあったから少し期待していたのですが、夜にホテルから電話したら家に居ました(苦笑)。

 しかも、一言も謝りもせずにヘラヘラと言い訳ばかりを繰り返し、私の中でカレに対する愛情も信頼も一気に失せていくのがわかりました」

旅行に来ない彼氏
 なお、彼氏が寝坊して間に合わなかったのは、前日深夜まで会社の同僚と飲んでいたから。

 有紀さんの態度がそれまでとは違うことに気づき、あわてて謝罪の言葉を述べたそうですが、時間にルーズなところはその後も変わらず、旅行から4か月ほどで別れてしまいます。

「この一件を機に反省するかなと思ったのですが、どうやら私が甘かったみたいです。まあ、ひとり旅の経験は何度もあって、北海道旅行自体はそれなりに満喫できましたし、私にとって嫌な思い出にならずに済んだから別にいいかなって。あれは最初からひとり旅だったんだと思うようにしています(笑)」

旅行中に撮影した網走監獄の写真
旅行中に撮影した網走監獄の写真
 旅行のような大事なイベントにも平気でドタキャンしてくる相手とは、このまま関係を続けても先が思いやられたはず。将来のことを考えれば、彼女の決断は正しかったのかもしれませんね。

―シリーズ「冬の恋愛悲喜こもごも」―

<文/トシタカマサ イラスト/やましたともこ>

【トシタカマサ】

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。