◆子どもを授かれなかった夫婦にも
――子どもを授かれなかった方が購入すると聞くと、購入者さんにはなかなか葛藤もあるのではと想像しますが……。
「葛藤を感じる方もいると思います。ただ、勘違いされやすいのですが『赤ちゃんができないから、じゃあリボーンドールにしよう』と購入される方はいないんです。赤ちゃんがどうしても欲しいという気持ちは、もちろんリボーンドールで埋まるものではありません。そういう方は養子縁組であったり、他のルートをまず考えるのだと思います。
むしろ赤ちゃんが欲しくてたまらない感情のときは、ネットでリボーンドールをふと目にすると悲しい気持ちになる方もいるようです。
リボーンドールへの感じ方は人それぞれなので、そういう気持ちになる方は“リボーンドールが適用ではない”のだと思います。なので、なかなか赤ちゃんを授かれない方に対して、わたしたちから『これいいですよ』とおすすめするようなことは決してありません」
――では、子どもを授からずリボーンドールの購入をする方は、どんな方が多いのですか?
「不妊治療に今まさに取り組んでいる方というより、授かるためのあらゆる手をしつくして、年齢も重ねて、我が子が欲しいという気持ちがある程度落ち着いた方が購入されることが多いように感じます。
街中で妊婦さんや子連れの家族を見るとつらくなるという方でも、リボーンドールであれば“誰かの赤ちゃん”ではなく“自分だけの大切なものの一つ”になるというのは大きな要素なのかもしれません。もちろん赤ちゃんの代わりではないけれど、見るたびに『かわいいな』『癒やされるな』っていう気持ちが湧き上がる自分を感じられるというか……」
――実際に購入した方からはどのような意見をもらいましたか?
「『毎日が明るくなった』『子どもが自立して寂しくなったけど、昔を思い出して幸せな気持ちになれた』『寝てる姿を眺めているだけで癒やされる』など、たくさんの好意的な意見をいただいています。
子どもを授からなかったあるご夫婦は『人形だけど、見るたびに可愛いと感じる。子どもには恵まれなかったけど違う形で赤ちゃんと接することができてよかった』とメッセージをくださいました」