◆親や大人はどうしたらいいの?

こういった子どもたちの性被害について知ると、「では、親や大人はどうしたらいいのか」と途方にくれそうになります。

鶴田さんは、子どもの様子がいつもと違うときは「反抗期だから」「いじめにあったのかもしれない」と大人が想定する理由以外にも「性被害にあった」という可能性も考える必要があると言います。そして少しでも被害について子どもが口を開いてくれたら、「話してくれてありがとう」「あなたは悪くないよ、悪いのは相手だよ」と子どもの話を信じて、気持ちを受け止めることが重要だと訴えます。

そして、「これは性被害だ」と認識し、園や学校に相談し、深刻に受けとめてもらえない時は警察や児童相談所(児相)に相談する必要があると伝えています。どこに相談してよいかわからない場合は、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(#8891)や警察の性犯罪被害相談電話全国共通番号(#8103)に電話をすれば、どうすればよいかを案内してもらえます。

そして、鶴田さんは「被害内容の深刻さの程度にかかわらず、性暴力は“自分の心と体は自分のものである”という主体性がおかされ、尊厳が傷つけられる体験となって、子どもたちの心の傷になります。それでも、その後の保護とケアによって回復していくことは可能」だといいます。