すべてがフラットになった時代での戦い

 細かな説明の必要はないだろうが、旧ジャニーズ事務所の創業者であり元社長のジャニー喜多川氏の騒動を受け、所属タレントの露出は一時期激減した。

 それと同時期には、事務所の体質変化もあり、他事務所のボーイズグループ、K-POPグループらとの共演も増加。これまで見られなかった事務所の垣根を超えたコラボ、退所したタレントとの共演や交流もオープンになるという時代が訪れたのだ。

 そんな中で、新事務所・STARTO ENTERTAINMENTが送り出した初のデビューグループである。これまでのように、事務所がメディアと連動して大々的に売り出そうとすれば、バッシング・炎上に結びつくだろう。つまり、すべてがフラットになった土壌でスタート時から戦うという宿命を背負ってのデビューとなったわけだ。

 そんな状況の中での初週売り上げ60万枚突破は、大健闘どころか大ヒットである。この結果を導いたのは、もちろんファンの力だ。もともとあった高い人気に加えて、逆境の中での初となるデビュー組だからこそ、いっそう応援したいという気持ちも、その数字を押し上げただろう。