◆結婚して子供が生まれて…そういう家族はひとつも存在せず
現代(昭和の後半、平成、令和)を舞台にしたドラマだと、当たり前のように、恋愛あるいは見合いで男女が結婚して子供が生まれて家族生活が営まれているという前提の物語が多かった。が、『海のはじまり』では主要人物にそういう家族がひとつも存在していないのは多様性に配慮してのことか。それは海のランドセルが紺色であることでもわかる。
昭和の時代、男の子は黒、女の子は赤がほぼ決まりであったが、昨今のランドセルはとてもカラフルだ。水季が選んだの?と夏が聞くと自分で選んだと答える海。女の子だからといって赤とかピンクとかを選ぶわけではないのだ。そして、お友達は黄色。ランドセルの色のように家族の形も色々だ。