◆激痛に絶えながらデートを乗り切る
熊谷から浦和まで約1時間半。タクシー代は深夜料金を含めて15000円ほど。亜希子さんが自宅に着いたのは夜中の3時くらいでした。ベッドまで辿り着いた亜希子さんは、それから泥のように眠ったとか。
「そして翌日、私は約束の待ち合わせ時間通り、酔いもすっかり冷めた私は何事もなかったのように彼の前に現れました。そしてその日、彼が組んでくれたスケジュール通りに鎌倉の切通しや江ノ島一周をフルテンションで巡り、全力で旅行を楽しみました」
しかし、その時の亜希子さんの体は完全に半身を打撲しており足は捻挫(ねんざ)。物凄い痛みを伴う旅路を笑顔で乗り切ったそうです。
「ちなみに、この話は彼氏……現・旦那なんですけど未だに知りません。まあ、同じくらいの泥酔を旦那は幾度となく目撃しているので今さら驚かれないでしょうけどね(笑)」
とはいえ亜希子さん、この酒癖が娘に遺伝してないことを祈る、と真剣な表情で語っていました。
―シリーズ「危機一髪だった瞬間」―
<文/もちづき千代子・イラスト/やましたともこ>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama