◆不幸であっても、孤独ではない男の生き様
主人公のダグラスはハッキリ言って不幸です。家庭環境は最悪だし、体も健康とはいえず、好きな人と結ばれた経験もない。
彼は紛れもなく不幸だったけれど、だけどどうしても孤独だとは思えませんでした。厳しすぎるこの世の中で、自分であることを決して諦めなかったのです。
生きることの残酷さや悲しみから逃げるのではなく、真正面から受け止めているように見えました。
彼の中にはいつも楽しそうに料理をする母親がいたし、キラキラ輝く初恋の人がいて、もちろん可愛いワンちゃんたちがいた。本当の孤独は何の優しさにも触れず、人生の楽しさも知らず、自分を捨て、消えていくことなのかもしれません。