◆発信し続けることで研究を知ってもらうきっかけに
研究で忙しい中、発信を続けるのには理由がある。
「夜間救急で働いていたころ、猫にとっては猛毒のユリを食べて運ばれてきたり、異物を誤食した猫の開腹手術をしたりしていました。知識さえあれば防げる事故や病気で、助かるはずの命が助からないケースを目の当たりにして、’19年頃からXで発信を始めました」
さらに、その発信力を本業の研究に役立てたいという思いもあるのだとか。
「愛玩動物である犬猫の病気の研究には、どうしても国から予算が下りづらい現状があり、僕ら獣医学研究者にとって大きな課題となっています。最近はクラウドファンディングで研究支援を募るケースが増えているので、このアカウントを通して自分の研究を知ってもらうきっかけになればと。
国全体としての優先度は低くても、飼い主さんにとってペットは家族も同然。将来的には飼い主さんたちと一緒に研究を進めていけたらいいですね」