「編成トップでもある渡辺氏は昨年、FAで出ていった山川穂高の人的補償で今年1月、和田毅を指名するもソフトバンクが拒否したことから激怒。当時、周囲には怒りながらも『これで貸しを作れた』とほくそ笑んでいたといいます。自ら連れてきた松井稼頭央監督が事実上クビになり、監督代行に収まったはいいものの、戦力がない現状を打破すべく、今度は首位を独走中のソフトバンクに今度は『貸しを返せ!』と強く迫ったわけです」

 こうした複雑な事情が入り組んだ結果、育成選手と支配下選手が史上初めてトレードされる事態に発展した。ソフトバンクから移籍した野村はすでに1軍の試合に出場、戦力としてプレーしているが、もっとも尻に火がついたままの渡辺監督代行はこれで終われない。

「親会社内では今オフ、GMと監督代行の職を外してSD(シニアディレクター)に降格させて、来オフには退団させる方針であることが漏れ伝わってきています。言ってしまえばチームの低迷、山川穂高の素行不良の責任を、親会社が渡辺監督代行1人に背負わせようとしている。こうした不穏な動きは、多彩な人脈を持つ渡辺氏もキャッチしており、相当焦っているそうです」(同前)

 山川の人的補償に端を発した西武、ソフトバンクのいざこざは、この先もまだまだ起こりそうな予感が……。