◆あだ名が「痔ーコ」に確定。卒業するまで…
「でも、やっぱりそんなものを持っていたら先輩とかにツッコまれますよね。そうなると飲み会のノリもあって『私、痔なんでーす!』なんて明るくカミングアウトしちゃって。
結果、私のイメージは『痔の女の子』が定着して、あだ名が『痔ーコ』に確定してしまったんです」
痔自体は治療を続けたおかげで在学中に完治したとのことですが、最初についたイメージは決して消えることはなく、大学を卒業するまでT子さんは『痔ーコ』キャラを貫くはめになりました。
学年が上がっても、同期のメンバーが新入生たちにそのあだ名を教えてしまうため、後輩たちからも『痔ーコ先輩』と呼ばれていたとか。
「今でも大学時代の知り合いと会えば『痔ーコ』です(笑)。この名前のせいなのか、結局学生時代に学内で彼氏はできませんでしたね。
せまい学校だったせいか、ほかのサークルの人からも『痔なんでしょ?』とか言われることもあって、なかなかキツい学生生活になっちゃって(笑)。社会人になって『痔ーコ』から脱却しようとちょっと真面目なしっかり者にキャラ変してみました」
そしてT子さん、めでたいことに今年の7月にご結婚されるとか。ただ、お相手の方は『痔ーコ』のあだ名をいまだに知らないと言います。
「社内恋愛だったので、彼はその時代の私のことは知りません。でも、結婚式の二次会で確実にバラされちゃうだろうなあ。今から口止めすべきか迷ってます」
実は内心、戦々恐々としているT子さん。無事に『痔ーコ』の過去を守り通せるのか。7月の挙式が楽しみなような怖いような……。
―シリーズ「春のトホホ」体験談―
<文/もちづき千代子 イラスト/やましたともこ>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama