◆ママ友カーストにかかわることも…

ママ友
 戸建ての場合、購入者は「25~35歳」がボリュームゾーンで、周囲との社会的地位を「比較されやすい年代」とも指摘する乃村さん。外観は複雑怪奇な“ママ友カースト”にも、響くそうです。

「戸建てを検討する世代は、バリバリの働き盛りです。ライフステージの変化も激しく、結婚してお子さんが1人、2人と生まれる中で、住まいを検討される方がほとんどです。子どもが成長して保育園や幼稚園に通いはじめると『ママ友カースト』の問題が、待ちかまえています。子どもたちが仲よくなると「◯◯ママちゃんの家に遊びに行く」という付き合いが生まれ、初めて『あの人は賃貸』『あの人は持ち家』と、世帯ごとの格差を意識するようになるんです。

 そこでも、住宅の外観が重要になります。外観が地味でイマイチだと評価されず、自然とカーストの下位に位置づけられることも……。外観が個性的で、おしゃれなデザイナーズ住宅風だとご近所さんから「素敵! どこの建築家に頼んだの?」なんて一目置かれることも。工務店の満足度に直結しますし、外観がデザイナーズ風でも実はお手頃な価格で建ててくれる工務店もあるので、お金の使い方を工夫しながら外観に力をそそぐべきです」

 人は見た目が9割という話もありますが、住宅もじつは同じ。家族、周囲との人間関係にも影響を与える外観は、家づくりで欠かせない要素だといえそうです。

【乃村一政】

(株)マイホム代表取締役CEO。1976年、奈良県生まれ。高校卒業後、吉本総合芸能学院(NSC)へ14期生として入学。約6年間の芸人活動を経て、訪問販売の営業マンに転身。2006年より住宅業界へ移り、2010年に奈良県でSOUSEIを設立。2021年にマイホムを設立。

<取材・文/カネコシュウヘイ>