所得税も高年収サラリーマンねらい撃ち

ある意味でサラリーマンに認められた必要経費とも言える給与所得控除は、所得税計算の際に給料から差し引ける。その控除額が、平成25年には上限が設けられた(年収1500万円で245万円)。それだけでは済まない。上限は平成28年に230万円、翌年には220万円までに引き下げられた。

出世のゴールにまで上り詰めた役員たちにも課税当局は厳しい。通常退職金に対しては、1/2計算という優遇措置が適用される。ところが勤続年数が5年以下の役員は、この優遇措置を受けることができない。

本当のお金持ちは株で稼ぐ

一方で、そんな増税策などどこ吹く風のお金持ちもいる。国税庁の発表によると、2016年に年間所得1億円超クラスは約2万人、そのうち半数は株式譲渡所得や配当収入で稼いだ人たちだ。ここ5年間で倍にまで増えている。

安倍政権発足以来、日銀は黒田総裁指揮のもと、異次元緩和を積極的に推し進めた。日銀が国債を買い上げ続けた結果、世の中には360兆円ものマネーが流れ込んだ。年6兆円に上る上場投資信託購入も追い風となり、不動産価格や株価を押し上げた。

新興富裕層の金遣いは、今までの常識が通用しない。プライベートジェットをチャーターした旅行の企画(4泊5日の香港旅行が200万円もする)、ランボルギーニ・ベントレーなど超高級車の販売など、新しい富裕層ビジネスが有卦に入っている。

さて、こうしたニューリッチたちへの税負担は驚くほど軽い。所得階層別の税負担率は1億円をピークに右肩下がりのカーブを描くことがよく知られる。株式の譲渡所得・配当所得には累進税率ではなく、約20%の一定税率が適用される(上場企業の3%以上の株式を保有する個人を除く)ので、こうした現象が起こる。

ただし、国会では財務省が「税率引き上げも検討中」とも答弁している。今後の動向からは目が離せない。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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