◆「若いやつらに残せること」投票という役目

 候補者の主張を吟味して投票することは、今若い人たちのためにできる役目と言って良い。そのため、星長官の「若いやつらに残せることがあるんじゃないかい?」というセリフ、寅子の「その時の自分にしかできない役目みたいなものは、確かにあるのかもしれないわ」というセリフは、選挙期間中に聞くと胸に深く刺さる。

『虎に翼』
『虎に翼』©NHK
 そもそも、『虎に翼』の時代では女性のみに姦通罪が適用されていたり、女性に参政権が与えられていなかったりなど、令和の常識では考えられないいくつもの理不尽があり、それに言及されるシーンが多かった。今では男女関係なく当たり前に参政権が与えられ、姦通罪はそのものが廃止されているが、それは、今ある権利や安全を先人たちが“若いやつら”のために勝ち取ってくれたからに他ならない。寅子たちの奮闘を見ていると嫌というほどわかる。寅子や星長官がそうしてくれたように、より豊かに暮らせる未来を残すため、投票という今できる役目をより一層全うしたくなった。