◆「おかしい」と上げた声は、決して消えない

 3日に放送された第68話では、日常的に暴力を振るっていた父親に反撃した結果、父親を殺してしまった男性の判決が話題に。寅子はこの件について弟・直明(三山凌輝)とともに、義姉で親友の花江(森田望智)とその息子直人(琉人)と直治(楠楓馬)、そして寅子の家で一時期お世話になっていた道男(和田庵)へ説明する。

 被告人は一審で情状酌量を汲まれて執行猶予がついたものの、検察は裁判のやり直しを求めて上告。15人中2人の最高裁判事しか裁判のやり直しに反対しなかったため、裁判をやり直す方向に進んでいると話す。直治は裁判のやり直しに違和感を覚えるが「2人なんて、それっぽっちじゃ何も変わらないよ」と不満を口にする。

 ただ、寅子は「そうとも言い切れない」と返答。続けて、「判例は残る。たとえ2人でも、判決が覆らなくても、『おかしい』と声を上げる人の声は決して消えない」「その声がいつか誰かの力になる日がきっと来る。私の声だってみんなの声だって、決して消えることはないわ」と語った。