国民年金は、日本に住む人20歳から60歳未満の人すべてが加入する公的年金です。20歳になり「国民年金加入のお知らせ」が届いた、または周りの友人から届いた話を聞いたけど、どうすればいいか悩む人も少なくはないでしょう。今回は、国民年金制度の概要や学生の間は保険料の納入が猶予される特例制度などを紹介します。
20歳になったら全国民が加入する「国民年金」
日本の公的年金制度の1つである、「国民年金」の基本を知っておきましょう。
今さら聞けない……国民年金とは?
日本の公的年金制度は、日本国内に居住し住所があるすべての人に加入が義務づけられています。公的年金制度は、「国民年金」、「厚生年金」、「共済年金」と3種類あり、働き方によって加入する制度が異なるという仕組みです。
国民年金は、20歳以上60歳未満の人に加入が義務づけられ、20歳になると保険料を支払わなければいけません。国民年金保険料を支払うことで、納付期間に応じた「基礎年金(老齢、死亡、障害)」を受け取れます。たとえば、2020年9月時点では65歳になったときに受け取れる「老齢基礎年金」などです。
保険料の納付の仕方は、学生、自営業者などが対象の「第1号被保険者」、会社員など厚生年金保険加入者や公務員など共済組合加入者である「第2号被保険者」(65歳以上の老齢基礎年金受給者は除く)、20歳以上60歳未満の第2号被保険者の配偶者を対象とする「第3号被保険者」(年間収入が130万円以上ない人のみ)によって異なります。
20歳になったら保険料の納付が必要
国民年金は20歳から加入が義務づけられている制度です。20歳になっておよそ2週間以内に国民年金に加入したというお知らせが届きます。同封されている書類は、「 国民年金加入のお知らせ」、「国民年金保険料納付書」、「国民年金の加入と保険料のご案内(パンフレット)」、保険料の免除・納付猶予制度と学生納付特例制度の申請書、返信用封筒などです。
書類のなかに保険料の納付書も含まれているので、誕生日の前日が含まれている月分の保険料から納めなければいけません。ちなみに、納付は口座振替、クレジットカード、コンビニなどでも可能です。
知っておきたい国民年金の支払い方法
国民年金には、保険料の割引や将来受け取れる年金を増やす方法があります。そこで知っておきたいお得な支払い方法をご紹介します。
まとめて前払いすると割引が受けられる
国民年金はまとめて前払いすると割引が適用されます。前納期間は2年、1年、6ヵ月から選ぶことができ、支払いは口座振替、現金、クレジットカードでの納付が可能です。国民年金の保険料を月々で支払うよりもお得になります。
ほかにも口座振替早割という、納付期限よりも1ヵ月早く納付することで、月額50円の割引が受けられます。年間にすると600円お得になります。
前納を希望する場合は、年金事務所に問い合わせてみましょう。口座振替での前納を希望する場合は、金融機関でも手続きは可能です。
将来もらえる年金を増やす方法も
第1号被保険者と任意加入被保険者に限り、月額の定額保険料にプラス400円(月額)の保険料を納めることで、将来受け取れる年金額を増やせる制度があります。
付加保険料(400円)を60歳まで毎月納付することで、老齢基礎年金を受け取れる65歳から「付加保険料の半額(200円)×付加保険料納付月数」を受け取れる仕組みです。
たとえば20歳から60歳までの40年間、付加保険料を支払ったとすると、その金額は192,000円。付加保険料の半額が受け取れることになるので、年間96,000円がプラスされ年金として受け取ることができます。
日本年金機構によると、付加保険料を納付した分は2年間でもとが取れるとされています。65歳から年金を受け取り始めた場合、67歳以降の付加年金分がお得になります。
例
20歳から60歳までの40年間、付加保険料(400円)を払った場合
支払った額:400円×480ヵ月(内訳12ヵ月×40年)=192,000円
年金に加算される額:200円×480ヵ月=96,000円
96,000円×2年=192,000円
2年でもとが取れ、3年目からお得になる。
ただし、第1号被保険者と任意加入被保険者でも、条件によっては付加保険料の納付を利用できない場合があるので注意が必要です。国民年金基金に加入している人、国民年金保険料を免除されている人などは対象外となっています。