◆目標にしていたフラメンコの発表会が近づく
そうこうするうちに、抗がん剤を打ちながらも出ると決めたフラメンコの発表会も近づいてきました。レッスンでは踊りこみ、本番会場でのリハーサルなども控えて、より体調を崩さないように注意しながら日々を過ごしていました。
発表会を控え、一か月前のリハーサル前日に発熱。白血球が減少していると感染症を起こして重症になりかねないと聞いて焦りましたが、大事には至らず翌日には熱も下がり、なんとかリハーサルに参加。風邪でもなく、緊張による知恵熱のようなものだったようです。
本番はこんなことがないようにと気持ちを引き締め、練習に集中。フラメンコの発表会につけるためのウィッグを購入したり、準備を進めました。
そしていよいよ発表会当日を迎えました。乳がんを宣告された日からずっと、がんの治療をしながらでもこの舞台に立つことを心に誓って治療をしてきたわたしには、発表会の会場に入った瞬間、すでに「やっとここまで来た」という気持ちで胸がいっぱいでした。
病院の先生、看護師さん、アピアランス支援センターのスタッフさん、がん友、そして家族。いろんな人の顔が浮かびました。フラメンコはただの趣味だけれど、ここで今日踊ることは、わたしにとってすごく意味があることでした。わたしをここまで頑張らせ、支えてくれたものがフラメンコだったのです。
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