その時期は9月になるとみられ、パッキャオにとって安保とのスペシャルマッチは世界前哨戦という位置づけになる。

「パッキャオはもともと今回の安保との試合も“真剣勝負”と言っていましたが、あくまでエキシビションですから、安保にもつけ込むスキはあると思われていた部分はある。どこまでコンディションを仕上げてくるかによっては、勝ち目もあったかもしれません。事実、パッキャオは引退後のエキシビション出場で衰えた姿を見せたこともありますし」(ジム関係者)

 22年の年末、パッキャオは韓国でYouTuber兼格闘家のユ・デギョンとエキシビションマッチを行っている。その試合では6ラウンドにダウンを奪い、危なげなく一方的な判定勝利を収めたものの、その動きは全盛期とは程遠いスローな戦いぶりだった。

「あのときのパッキャオなら、安保にもチャンスはあったかもしれない。スピードで上回れるし、19cmの身長差もあります。下の階級から上げてきたパッキャオのキャリア終盤は自分より大きい選手ばかりを相手にしてきましたが、おそらく安保ほど長身の選手はいなかったはず。スピードと体格でアドバンテージを取って、パッキャオのテクニックを封印する展開も見えなくはなかった。しかし、秋の世界戦が現実味を帯びてきたとすれば話は別ですよ。パッキャオが仕上げてくれば、手も足も出ないでしょう」(同)

 パッキャオ戦に向けて「絶対に期待に応えるから楽しみにしといて。生半可な相手じゃないことは100も承知やけど俺も生半可な気持ちで伝説に挑まんから」と意気込む安保。果たして“伝説”に一矢報いることができるだろうか。