アニメ映画『ルックバック』、興収は1位『それいけ!アンパンマン』超え

 今回のランキングで2位につけたのは、同じく6月28日に封切られたアニメ映画『ルックバック』。全国128館という小規模での公開ながら、3日間で動員13万5000人、興収2億2700万円と、興収においては『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』を上回っている。

 そんな『ルックバック』は、集英社のウェブサイト「少年ジャンプ+」で21年7月に公開された漫画家・藤本タツキ氏の長編読み切りをアニメ化。同年12月に『このマンガがすごい!2022』(宝島社)のオトコ編第1位にも選ばれた話題作で、漫画に対するひたむきな思いで繋がっていく2人の少女の姿を描いている。

 主人公・藤野の声を河合優実、藤野の漫画に惹かれた引きこもりの同級生・京本の声を吉田美月喜が担当。監督・脚本・キャラクターデザインを手がけるのは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』など話題のアニメに携わってきたアニメーション監督でアニメーターの押山清高氏。

 もともと原作のネット人気が高かったこともあり、公開前から注目されていた劇場版『ルックバック』。58分と短めの作品だが、鑑賞を終えたネットユーザーからは「約60分とは思えないほどの満足感」「短いストーリーの中にいろいろなものが詰まっている」「話が面白いのはもちろん、藤野や京本というキャラクターの描き方、アニメーションも素晴らしい」などと絶賛されている。

 また、原作にはさまざまな既存作品のオマージュが散りばめられていると指摘されてきたほか、19年7月に発生した京都アニメーション放火殺人事件を連想させるような描写もあり、映画鑑賞後も考察するファンが続出。

 「“エモ”で消費して終わってはいけない」といった苦言を呈する書き込みもみられるが、とにかくいろいろな見方ができ、「また見に行こう」とリピート鑑賞を予定している者も少なくない。