◆数字だけで判断するのはどうなのか?
第1話から名演を数え上げたらきりがないほど。でもどうやらそんな山下の力量と力技があっても本作全体への評価は、思ったほどには高評価でもないのだ。
山下智久というと、テレビドラマの視聴率低迷の時代に、それでも数字がとれる俳優としてのイメージがある。だから今回も救世主的に白羽の矢が立ったのだろうけれど、そういう過度な煽りがそもそもおかしな話ではないか。
だってどれだけ山下が名演を刻もうが、お構いなしに数字だけで判断されることになるのだから。第1話の世帯視聴率は、8.6%。第2話も8%台だったが、3話から下降気味になり、第8話、第9話が、6.6%、最終話(第10話)は6.3%だった。
物語の内容が鈴木亮平の『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS、2021年)と似ているとの批判もある。でもね、我らが山Pの演技の温度が、こんなにほっかほかの数値であることだけで十分だと思うんだけれど……。